最終更新:2024年11月2日
96.罠
A男は、犯人が捕まるシーンをみるのが好きだった。
スカッとするのだ。
ドキュメンタリー番組は、特に好んで観ていた。
そこでA男はいつからか、捕まるシーンを目の前でみてみたい衝動にかられてきた。
「そのためには、犯罪を目撃しなければならない」
A男はどうすれば犯罪が起きやすいか考え、実行に移すことにした。
まず、車にカメラを設置した。
車外と車内に関わらず全ての角度から記録できるようにした。
そして次に、荒い運転をしている車を見つけると、わざと割り込みをし、ノロノロと運転してみたのだ。
時には、追い越しをすることもあった。
すると案の定、煽り運転をする人間が出てきた。
A男は「しめた」と思い、逃げる素振りをしながら、警察に電話を入れ捕まえてもらった。
その後、動画サイトへアップし、テレビ局にも提出した。
煽り運転だけでなく、時にはわざと喧嘩っ早そうな男へ、軽く肩をぶつけてみたりしていた。
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GPSを設置し、窓を開けっ放しにして、わざと車を盗ませる事もした。
詐欺と思われるサイトも有効活用した。
このような事を繰り返す事で、A男は捕まる事を目のあたりにできる上、動画で収入も得ることができ、A男にとっては一石二鳥だった。
..」
補足
実際には、交通事故に百対0が殆どないように、犯罪を誘発するような行為は、判決の中に加味されるといえるだろう。
「触らぬ神に祟りなし」というように、危険を避ける努力も必要なのかもしれない。
どちらにしても、私達が普段見ているニュースは、もしかすると偏った見方によって作られていることも、加味しなければならないのだろうか。その見方すらも偏っているのかもしれないが..
次は..97.電気信号
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