最終更新:2024年10月11日
49.合理的
A星人は、ボタンを押すことを躊躇っていた。
これまで宇宙の進化した星々は、合理的に考えてきたからこそ、ここまで発展してきたといえる。
A星人もこれまで、道理に乗っとった合理的な考えを行ってきた。
だからこそ、今回のような重要な任務に付くこともできた。
これは、全宇宙何百万を超える星の命と、平和を維持するための未来がかかっているのだ。
今更、後に引くわけにもいかない。
それでもA星人は、ボタンを押す責任が重くのしかかっていた。
ボタンを押すことで、その星は木っ端微塵になる。
確かにその星が存在することで、そう遠くない未来に全宇宙に悪影響が起こることはデータとして出ているので明らかだ。
しかし、その星には、七七億人の住人が住んでいた。
それでも、その星が無くなることで、未来に起きる悪影響の可能性だけでなく、星を無くすほどの兵器が出来たことが証明されることで、星間戦争は大幅に激減するだろう。
その結果、将来、何百兆以上の星人の命が助かることも明らかだった。
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だとしても、A星人は踏み切れなかった。
その後それはA星人だけでなく、どんなに合理的な星人でも出来ないことが明るみになった。
そのため、最終的にコンピューターによって自動的に行われることになった..
補足
核抑止論という、核兵器の保有はその法外な破壊力のために,かえって戦争を抑止する力となるという考え方は、実際に犠牲が生じ説得力を増すことで、効果があるのだろうか?
だとすれば、全宇宙の観点からみると、地球そのものがなくなったとしても納得できるのだろうか?
それは、合理的だといえるのか?
もちろん、それだけ進歩した技術を持っている知的生命体であれば、犠牲を払って破壊力で抑止する方法など取らなくても、他に方法を見出すだろう。
例えば危険性のある星の文明は自然に自滅する仕組みを組み込むなど。
まさにそれが核の開発なのかもしれないが..
次は..50.集合体
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