88.無神経
88.無神経 A男は心が荒(すさ)みきっていた。 何をしてもやる気も出ず、ちょっとした事でも、直ぐにイライラしてしまう。 唯一モチベーションが上がるのは、ストレス解消で他人を批判することだった。 A男は自分以外を批判する […]
88.無神経 A男は心が荒(すさ)みきっていた。 何をしてもやる気も出ず、ちょっとした事でも、直ぐにイライラしてしまう。 唯一モチベーションが上がるのは、ストレス解消で他人を批判することだった。 A男は自分以外を批判する […]
87.笑い Aは、お笑いが好きだった。 笑うのは人間の特権だと信じていたし、内蔵が動くので健康にもいいし、ストレス解消になるのだから、願ったり叶ったりだと思っていた。 それでも、普通に生活をしていても、そこまで笑えるよう
86.自由意志 A男は、考えていた。 「どうすれば成功できるのだろうか?」 A男は、失敗から学ぶ事や、まずはやってみて経験から学ぶという事を、これまで嫌という程やってきた。 お金も惜しみなく使ってきた。 ところが、結果と
85.加担 A子は、安売りに目がなかった。 この理由で、徹底してコストパフォマンスを追い求めていた。 「賢く生きなきゃ」 情報弱者になりたくないため、バーゲンセールの情報には、常にアンテナを張り巡らせていた。 そんなある
84.正当性 Aは、英雄だった。 戦争ではもっとも敵を殲滅(せんめつ)したということで、国から多くの賞が受賞された。 元々Aは、暴力的な人間だった。 人を殴ってお金が稼げる上、称賛されるということで、はじめは総合格闘技の
83.現実2 A男は、仮想現実サービスを利用することにした。 これは新しく出来たサービスで、五感と接続されることで、現実と同じ感覚を仮想現実世界で味わえる。 それでも、一種の虚しさを感じる可能性はある。 今回できたサービ
82.結果2 A子はお笑い芸人を目指していた。 正確にはお笑い芸人には、既になっていた。 お笑い芸人の仕事が少なかったため、 お笑い芸人として成功を目指していたのだった。 そんなある日の事。 アルバイト先で、IT企業の素
81.痛み2 Aには、痛みを感じなかった。 これは身体的なものだけではなかった。 そのため、誰かに何を言われても何も感じなかった。 何も感じなかったため、誰かに何かを言われる事を恐れる必要もなかった。 言われた人の気持ち
80.証明 神は激怒し、A男を叱咤(しった)した。 「お前は、何様なのだ!」 確かにA男は、神を否定した。 神の矛盾点を数多く述べた。 ところが、その後神の怒りに触れたのだ。 A男は、恐る恐る言った。 「何様と言われまし
79.曖昧 A子は遂に「若返りの秘訣」を編み出した。 それまでA子は、日々老いていくことに耐えられなかった。 様々な事を試した結果、殆ど効果を感じられなかった。 A子は、焦りを感じていた。 久しぶりに会った同級生が歳を取