63.知識
63.知識 A男は「絶対的な力」を信じていた。 それは「絶対的な力」というだけで、他には言い表すことはできなかった。 それでもA男は、その「絶対的な力」によって、この世の全ては関連付けられ動いているという信念 […]
63.知識 A男は「絶対的な力」を信じていた。 それは「絶対的な力」というだけで、他には言い表すことはできなかった。 それでもA男は、その「絶対的な力」によって、この世の全ては関連付けられ動いているという信念 […]
62.名前 その人間は「私」という名前だった。 私は「私」という名前が気に入っていた。 確かにありふれた言葉だといえる。 だからこそ使う人が極端に少ない。 少ないということ、それは特別だということになる。 もちろん相手が
61.確率 Aは、根っからのギャンブル好きだった。 そのため、一発逆転を狙って常にあらゆる方法を試していた。 そんなある日の事、どうやっても普通の方法では胴元の取り分を上回る勝率は得られないことを痛感したのだった。 あら
60.平等 A博士は、遂に完全なる平等な世界を創り上げられる「バーチャルリアリティ」の装置を開発した。 その装置を使えば、脳だけで生存できる。しかも自覚はない。 想像したものが現実感として現れ、実際には他の者とは繋がって
59.心2 「あいつらは、我々の事を全く理解していない」 コウモリAは、周りのコウモリにこうメッセージを送信した。 周りのコウモリも「全くその通りだ」と理解をしめした。 コウモリAは続けた。 「私達が感じているものも、あ
58.神 Aは、神と対話できる能力を持っていた。 Aは冷静に考えていた。 このような能力を持っていると言う者は、これまでごまんといた。 冷静に考えると、単なる気のせいではないのかとも思う。 Aはこの理由で、極力気にしない
57.愛着 A子は次々と抑えきれず溢れ出る涙を、ポロポロと流しながら夕食を食べていた。 A子は繰り返し呟いた。 「ごめんなさい。ありがとう」 A子は思い返していた。 「あなたと出会ったのは、一年前のことだった。あれから癒
56.結果 A男は、新商品の開発に勤しんでいた。 新商品はお菓子の一種だった。 それは、脳内に快楽物質が生じることで、ストレス解消ができるものだった。 つまり「とても美味しい」と感じさせることのできる商品である。 A男は
55.ダイエット A子は、ダイエットをすることに決めた。 単に美しくなって自信を付けたいと思っただけでなく、かといって、健康のためでもない。 A子のダイエットの目的は変わっていた。 自分が贅沢を我慢することは、ひいては貧
54.私 「お前は誰だ?」 Aは自問自答した。 「他でもない、俺は俺だ」 その後Aは、自分自身を確認していた。 身体や顔を手で触り「この全てが俺だ」と納得した。 ところが、それでは終わらなかった。 Aは更に自問自答を続け