32.記憶
32.記憶 遂に記憶をインストールできる装置が開発された。 A子は旅行が好きだったため、様々な場所の記憶をインストールして楽しんでいた。 この装置は記憶だけでなく感覚も入っているため、本当にそこに行ったような気分を全身で […]
32.記憶 遂に記憶をインストールできる装置が開発された。 A子は旅行が好きだったため、様々な場所の記憶をインストールして楽しんでいた。 この装置は記憶だけでなく感覚も入っているため、本当にそこに行ったような気分を全身で […]
31.命 A博士は、人間の愚かな行為を無くすことができないか真剣に考えていた。 その研究のはじまりは、ふとしたキッカケだった。 試行錯誤の末、その研究を進めていくうちに遂に新しい発見をすることになった。 その後、遺伝子工
30.無料 Aは無料が好きだった。 「無料でなければ許せない」 それは、Aのポリシーとも言うべきものだった。 そして、遂にAが待ち焦がれた時代が訪れた。 そこは、全てが無料で利用できる世界だった。 スマホも
29.道徳と結果 A子は、衝動に支配されていた。 いったん衝動が起こると、抑えきれなくなるのだ。 そこでA子は、衝動を抑えるために苦しみ悩み抜いた。 創意工夫を施し努力を惜しまず、出来る限りのことを行った。 そのうち「こ
28.痛み Aの虫歯は悪化していた。 その痛みは日に日に増していった。 それでもAは歯医者に行かなかった。 Aは、歯医者が苦手だったのだ。 「あんな訳のわからない機械で、痛い所を直にこねくり回されるなんて、たまったもんじ
27.合理性 女性が自殺し、死体が熊に食べられたニュースが流れた。 その、三ヶ月前.. A子は、悩みに悩みぬいていた。 「私は、食べられたくない」と考えていた。 そう考えるとA子は、何も食べられなくなった。 たとえ植物で
26.信仰 Aはお金持ちになりたかった。 あらゆる事を試した結果、お金持ちになれなかったため、最後の手段として、藁をもすがる思いで神に祈ることにした。 それにも関わらず、一向にお金持ちにならなかった。 そこでAは「欲しけ
25.恋心 A子は、時折オンライゲームで気晴らしをしていた。 人と関わるのは面倒なので、会話は最小限で済ませ、もっぱらテンプレートの文言を使って意思伝達を行っていた。 そんなある日のこと、なかなか上手なプレーヤーBがいて
24.感覚と言葉 A男は、子供の頃から英才教育を受けていた。 それは、恐怖を感じず度胸を付けるという英才教育だった。 A男はそのような英才教育の凄まじい環境で育ったため、痛みや苦しみも殆ど感じなくなった。 そのお陰で、能
23.無意識 Aは、一風変わっていた。 生活の殆ど全てを、無意識で行動していたからだ。 「何かに反応し、行動を起こす」この繰り返しだった。 例えば「食事の後に歯磨きをする」といった具合だ。 会話でさえもそうだった。 「あ