7.悪


このブログを読み進めることで、当サイトのプライバシーポリシーに同意したことになります。詳しくはこちらをご覧ください。

この記事「7.悪」の内容を補完する画像です。

7.悪

Aは裁判長だった。
一見すると順風満帆に見える人生といえた。

そんなAにも、幼い頃から抱える悩みがあった。

それは人を殺さずにいられないといった深刻な悩みだった。そう。自分がシリアルキラーだということは十分に理解していた。

Aは殺さずにいられない生まれ持った性分があるとはいえ、だれでもかれでも殺すということはしないだけの自制心は持ち合わせていた。

裁判家の知識もあったため、ターゲットを選ぶ時には慎重に慎重をきっしていた。

ターゲットは裁判で裁けない冷酷な殺人鬼だけだった。その中には、ずる賢い者もいるし、権力でネジ伏せるものもいる、財力でケリをつける人間がいることも知っていた。

野放しにすれば多くの人を不幸に追いやることが分かっていても、立場上、無罪を言い渡さければならない場面にも度々遭遇していた。
ターゲットがそのような法を逃れた者でも、殺すことがやめられない自分に葛藤を抱き常に苦しんでいた。

どんな悪人であれ己に裁く権利がないことは、誰よりも自分自身が分かっていたからだ。ましてや殺す事が許されるはずもなかった。

Aは、いつ捕まっても他に迷惑がかからないように家族は持たなかったし、出来るだけ深い関係も築かないようにしていた。
そして、いつ裁かれもおかしくないと覚悟を決めていた。

Aは思った。
「それまでに、極悪人から一人でも多くの人達を救いたい」と。

補足

法治国家の中では特に、裁判で裁かれなければならない。

仮に法の抜け道からのがれている者がいたとしても、道徳的にも裁く権利はないといえるだろう。

--小休止:お知らせとお願い--
当サイトは、専門知識を持つ著者達が、独自の視点で価値ある情報と体験を提供しています。再訪問とブックマークをぜひお願いします。
-------

では、悪がもっと大きな悪をさばく場合はどうなるだろうか?

例えば、ルパン三世。
彼はドロボウだ。
それにも関わらず、好感度を得て主役の座を得られるのは、もっと大きな悪と戦っているからだといえるだろう。

彼はワルサーP三十八というピストルを所持している。
あくまでも漫画なので、主人公が殺す場面はでない。

もしかすると出ないだけで、それで殺しているかもしれない。
直接的に殺すまではしていないとしても、爆弾を使うこともあるので、犠牲になった人間はいるだろうと予想できる。

それでも相手が大きな悪とみなされれば、許されるのだろうか?
これを許してしまうと、悪を許すことにはならないだろうか?

例えばコンビニの万引き常習犯も「国家を脅かす悪と戦うため必要なので行っている」となれば許されるのか?
そんなはずはないといえるだろう。

もしかすると、殺しでなければ秘密裏に規則を破ることが許される場合もあるのかもしれない。
24のジャック・バウアー曰く「法を破るものと渡り合うためには、いちいち法を守っていられない」とあるように…


次は..8.頭脳

1.解釈

感想

Aの物語は、正義と悪の境界が曖昧になる瞬間を描き、その矛盾と葛藤に心を揺さぶられました。裁判長でありながら、抑えきれない衝動に苦しむAの姿は、法と道徳の限界を浮き彫りにし、強烈な印象を残します。


他の興味深い記事もご覧ください。お時間の許す限り、さまざまなテーマをお楽しみいただけます。
カテゴリーメニュー一覧はこちら
※当ブログで取り扱う短編小説の物語はフィクションです。実在の人物、団体、事件などとは一切関係ありません。
トップページはこちら


あなたのサポートがBlogXを支えます

このブログ「Blogx」は、次世代テクノロジーや環境問題を中心に、未来に向けた情報や考察を提供しています。私たちの目的は、世界中の人々に役立つ知識を共有し、より良い未来のために行動するためのきっかけを提供することです。

寄付していただいた資金は、さらなるコンテンツの充実、リサーチ費用、そしてブログの運営費用に充てられます。あなたの支援が、より価値のある記事の提供に繋がります。
詳細はこちら

ぜひ、私たちの活動をサポートしていただけると幸いです!

  • ✔ ブログを応援する
  • ✔ あなたの寄付が、より豊かな未来のためのコンテンツを支えます
  • ✔ 今すぐサポートはこちら → https://paypal.me/blogx2030



読者の皆様へ

この記事をご覧いただき、ありがとうございます!この記事に関する間違いなどのご意見、ご不明点などのご質問がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
お問い合わせフォームは、こちらにございます。

最新記事をお見逃しなく!

ぜひブックマークを

再訪問をお待ちしております

Open
上部へスクロール