最終更新:2024年10月11日
37.管理
A男は住んでいる社会では、犯罪は激減していた。
「計画罪」という法案が成立したからだった。
それは計画したものは全て提出する義務があり、違反すると罰せられるという法案だった。その事で、未遂の内に防げる確率が大幅に上がったのだ。
そこで次に、突発的な犯罪を防ぐため、日常生活を監視するシステムが誕生した。
それは突発率として一定の確率が上がった時、予め警告が届くシステムだった。
これで確かに犯罪率は下がったが、同時にプライバシー侵害で反対の声が多く上がった。
コンピューターで管理されるため、プライバシーは厳重に保護されていると説明しても無駄だった。
そして誰しも大なり小なりやましい気持ちがあるということで、一切監視されない社会が誕生した。
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すると、人々は安心して暮らせる社会を手放した事で、おちおちしていられない常に緊張した生活を余儀なくされたのだった。
補足
犯罪を予め行動心理学とITの発展と融合で予測できたとする。
その予測の確率が大幅に高くなった時、監視を強化する体制ができたとしても不思議ではない。すると自由に制限ができてくる可能性が生じるかもしれない。
だとすれば、自由であるためには慎む必要が出てくる。
自由とプライバシーの両立は可能なのだろうか?
人間の手から離れた管理コンピューターが出現すれば別だが..
次は..38.脳
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