83.現実2


このブログを読み進めることで、当サイトのプライバシーポリシーに同意したことになります。詳しくはこちらをご覧ください。

この記事「83.現実2」の内容を補完する画像です。

83.現実2

男は、仮想現実サービスを利用することにした。

これは新しく出来たサービスで、五感と接続されることで、現実と同じ感覚を仮想現実世界で味わえる。

それでも、一種の虚しさを感じる可能性はある。

今回できたサービスでは、対策の一環として、その世界に入っている時は「現実世界の事を忘れる」というものだった。

経験や知識は、仮想現実で得たように記憶がすり替えられるようになっていた。

では、どうやって戻ってくるのか?というと、入る前に日数を設定しておくことで、仮想現実世界で睡眠に入ったタイミングで戻るようになっている。

A男はそれらの説明を聞いて、安心してサービスを利用することにした。

仮想現実世界では時間の感覚が違うため、脳の許容範囲として、5時間で一ヶ月まで設定できる。

A男は、はじめての事だということで三日にしておくことにした。

狭い部屋に入り椅子に腰掛け、ゆっくりと目を閉じてみた。

するとA男の脳波は、仮想現実サービスとリンクされたのだった。

そして仮想現実世界の三日間を終え、A男は戻ってきた。

クエスト(仕事)など、色々大変だったが、充実していた楽しく過ごせたのだった。

A男は、徐々にハマっていった。

毎日通うようになり、休みの日は連続して使用するまでになっていた。

そんなある日の事。

A男は仮想現実世界の中で仕事が行き詰まっていた。

どうやっても上手くいかない。

実は、この「なかなか上手くいかない」という環境も、現実感を強化するために設定されていた。

そこでA男は、仮想現実世界で気分転換をしたくなった。

ミニゲームというものがあり、やってみることにした。

ミニゲームとはいえ、しっかりとした気分転換を出来るよう、圧倒的リアリティーを持たせるように用意されていた。

A男はゲームを行うため、狭い部屋に入り椅子に腰掛け、ゆっくりと目を閉じてみた。

すると、ベッドの中で目が覚めた。

--小休止:お知らせとお願い--
当サイトは、専門知識を持つ著者達が、独自の視点で価値ある情報と体験を提供しています。再訪問とブックマークをぜひお願いします。
-------

A男はうつらうつらしながら起きると、朝のルーチンワークを終えた。

「さぁ、今日は何をするかな?」

A男は、休日は何をして楽しむかと考えてみた。

「よし、今日も仮想現実サービスへ行って、続きを楽しもう」

A男は、何となく「何か変だ」とは感じていた。

と言っても、現実の煩雑さの中では、さほど気にすることもなかったため「考えることがバカバカしい」と思い、直ぐに忘れていた。

そんな中、A男の現実世界は、無限ループしていたのだった。

補足

現実とは何だろう?他との関わりがあり、規則があり、それらを破るとペナルティが生じる事もあれば、報酬が発生することもある。

仮想現実に虚しさを感じるとしたら、簡単に好きなようにできてしまうからだろうか?

であるなら、それらを現実というものだとしたら、それらを含めて仮想現実にしてしまった場合は、どうなるのだろうか?

もっといえば、幸福は求めるものであり、不幸も含めて現実感があるということだ。

それであってこそ、自分自身の意思や努力で将来を決め作っているという感覚になれるのだろう。とはいえ、それもパターンの一つに過ぎないのかもしれない。それさえも含めた仮想現実世界が提供された時、私達は現実との区別はできるのだろうか?

実際にゲーム内で戦う時、調子良く勝つ時もあれば、逆に思い通りにいかなく負ける時もある。それは現実でえられる感覚に似ているのかもしれない。ただそれが脳だけなのか、全身かの違いだけとなる。

感覚(質)と記憶(情報量)で出来ているのであれば、生存に関わる痛みと快楽が提供されることで、いとも簡単に現実は仮想現実になりうるともいえるのかもしれない。

その時、現実に戻ってきたことをどうやって確認するのだろうか?


次は..84.正当性

1.解釈


他の興味深い記事もご覧ください。お時間の許す限り、さまざまなテーマをお楽しみいただけます。
カテゴリーメニュー一覧はこちら
※当ブログで取り扱う短編小説の物語はフィクションです。実在の人物、団体、事件などとは一切関係ありません。
トップページはこちら


あなたのサポートがBlogXを支えます

このブログ「Blogx」は、次世代テクノロジーや環境問題を中心に、未来に向けた情報や考察を提供しています。私たちの目的は、世界中の人々に役立つ知識を共有し、より良い未来のために行動するためのきっかけを提供することです。

寄付していただいた資金は、さらなるコンテンツの充実、リサーチ費用、そしてブログの運営費用に充てられます。あなたの支援が、より価値のある記事の提供に繋がります。
詳細はこちら

ぜひ、私たちの活動をサポートしていただけると幸いです!

  • ✔ ブログを応援する
  • ✔ あなたの寄付が、より豊かな未来のためのコンテンツを支えます
  • ✔ 今すぐサポートはこちら → https://paypal.me/blogx2030



読者の皆様へ

この記事をご覧いただき、ありがとうございます!この記事に関する間違いなどのご意見、ご不明点などのご質問がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
お問い合わせフォームは、こちらにございます。

最新記事をお見逃しなく!

ぜひブックマークを

再訪問をお待ちしております

上部へスクロール